エクアドルのラン(3)
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1.コトパキシ山飛行機の横に見える山はエクアドルを代表する火山「コトパキシ山」。標高5、897mで、年間を通し4800m以上は万年雪をいただく。ちなみにこの写真は、キト空港にて撮影した。
2.首都キトキトはエクアドルの首都。3000m以上の高い山に囲まれた標高約2、800mの大きな盆地にあり、人口は約80万人の大変美しい都市。ホテルの窓から遙か彼方の丘の上の大きな銅像を望む。
3.カラカリ(標高約2000m)の景観キトの中心から車で1時間ほどのカラカリ(Calacali)。わずかに細い山道があるだけの原生林。標高が低いので林内は3,000m前後の雲霧林ほど湿っていないが、さすがに植物は豊富である。
4.道路際のエピデンドラム2種首都に近いせいか道路はアスファルト舗装され、良く整備されている。道路際には、Epidendrum, Oncidium, Cyrtochilum, Sobraliaなどの乾燥に強く、十分な光線を必要とするランが自生している。朱色の花の種と、桃紫色の花の2種が混生している。
5.Epidendrum sp.草丈は1m前後であるが、2−3年前までの株が残っているので全体としては非常に大きなコロニーを形成している。次種と混在しているので初めは花色の違いは個体差かと思った。しかし、よく見ると花序も花の細部の形態にも差があり、別種と見るのが妥当であろう。
6.Epidendrum sp.Eric Hagsatar氏が目下エピデンドラム属を研究している。文献だけ見ていると同定できそうだが、現地でいろいろな種に出会えば出会うほど同定の難しさが判り、軽率に種名は書けない。唇弁と唇弁基部のトサカ状突起の形態が手がかりか。
7.Sobralia sp.大きな花が咲くソブラリアは陽の良く当たる道路際や草地に生える。一方、小型種は林床や樹幹に着生し、花も小さい。写真の株は大型のS. macranthaと思われる。左側の棒状の植物はトクサ(Equisetum)、枯れた葉はウラジロ(Gleichenia)の一種。
8.Stelis sp.花の直径は、せいぜい2mm、この写真を見る限りではとてもランとは思えない。Stelisは草丈1cm以下のもっと小型の種から、花序が1m以上、2cm前後の花を100輪も付ける大型種まである。地元のサンチェス博士は、「Stelisなんてランと呼ぶに値しない」といつも言っている。
9.カラカリのチョウこれまでに3度エクアドルに行き、何回か大きなチョウにも出くわしたが、撮影したのはこれだけ。モンシロチョウとシジミチョウの中間位の大きさだった。同行していただいた三菱商事の和田氏に俗名を教えて頂いたが、メモし忘れた。模様が数字のようで特徴がある。
10、Trichopilia sp.多分白色の花のtortilisであろう。朽ちかけた倒木上に生育していた。8月下旬で現地はまだ乾期であったために花はなかった。エクアドルでは年間を通じほとんど気温が変化しないので、灌水さえすれば乾期でも開花するとのことである。
11、Xylobium sp.我々が行ったのが晴天の日の昼過ぎであった為か、林道を歩いている限りはさほど湿度が高いようには見えなかった。しかし実際には多数のランが自生していた。高さ2ー3m位の高さの太い枝に着生していた。かなり暗かった。
12.。 ケゼニゴケ(Dumortiella)の一種コケ類は世界中に分布する属が多い。葉状体の表面に細毛が密生するので「ケゼニゴケ」と名付けられた。先端近くにある円形のものは、杯状体と呼ばれる小さな杯、中に多数の無性芽が形成される。
13. ヘリコニア(Heliconia sp.)の一種ヘリコニアは南米に多数の種が自生しており、極楽鳥花草(ストレリッティア)に近縁。日本に導入されているものでは、花序は下垂するのだが、現地では写真のように上向きに生じる種も多い。大型種では、草丈3-4mに達する。
14.正体不明の花熱帯雲霧林の林床には、科も属もよく判らない植物が無数に自生している。写真の植物は、小さな渓流沿いの湿度の高い場所に生育していた。花は鮮やかな朱紅色、長さは3cmほどで非常に目立った。
15. 赤道標からの景観首都キトから車で20-30分で赤道標に着く。赤道標は太平洋側斜面とアマゾン川斜面に挟まれたシエラと呼ばれる乾燥した盆地にある。そのため周辺の景色は熱帯雲霧林とは全く異なる荒涼たる別世界である。しかし自動車で10-20分走ると、典型的熱帯雲霧林となる。
16.赤道標(キト郊外)先端に地球儀のある赤道標。両足の間にある線が赤道を顕わしている。陽が沈みかかった時間帯に撮影したもので、左足側が北半球、右足が南半球である。標の先端近くにある「E」は、「東」を表している。
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