生きた宝石、ジュエルオーキッド

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葉の表面にビロード状光沢があり、模様が美しく、ジュエルオーキッドとして知られるランの仲間をご紹介します。

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生きた宝石、ジュエルオーキッド
1.Anoectochilus の一種マレーシアで開催されたラン会議の時に、フラスコ苗で購入したもの。フラスコとはいっても、ジョニーウオカーのビンであったが、中で葉が直径2cm位まで成長していた。それにヒントを得て、大きめのタッパーで栽培してみた。昨年は、夏の猛暑にも拘わらず、びっくりするほど成長した。未開花のため、種は同定できない。
2.Anoectochilus の一種タッパー内で栽培すると、1)ミズゴケを湿らせておけば潅水の必要が無いので、葉が汚れず本来の美しさが損なわれない、2)ナメクジの食害の心配が無いのでジュウェルオーキッドには最適である。前種よりは、葉が大きく、葉質も薄い。斑がはっきりして大変美しい。
3.Anoectochilus の一種(2と同種?)葉の色や斑が若干異なるが、2と同種と思われる。日本のミヤマウズラなども同様であるが、葉の色や斑のパターンは、個体差が大きい。以下の4,5,6の株も、一見すると別種のようであるが、恐らく同一種と思われる。
4.Anoectochilus の一種2,3に比べ、斑特に横筋が不明瞭。葉の色も全体やや灰色がかっている。タッパー内で栽培すると、湿度が高いためか、根がミズゴケに直接接していなくても順調に生育し、菌糸のような根毛を空気中に伸長する。
5.Anoectochilus の一種斑のパターンは2.3に似ているが、全体に茶色を帯びる。斑も真新しい銅色のようでキラキラと美しい。順調に殖えてくれれば良いのだが。ジュエルオーキッドと呼ばれるランは、数属からなり、いずれも2-3節で茎を切っておけば、節から芽を出し、繁殖は簡単。
6.Anoectochilus の一種5よりもさらに葉の銅色が強い株、葉脈も明瞭である。ナメクジによる食害さえなければ、アネクトチルスは比較的低温にも強いので、最も栽培しやすい。マコデス、ルディシア、ドッシニアの3属は、低温には弱いようで、20度以下では生長が停まるようである。
7.Goodyera の一種パプアニューギニア産の種。茎が直立し、10cm前後になる。葉の濃緑色の部分には、ビロード状光沢がある。茎が直立するものをタッパー内で栽培するときは、横に伏せる。一週間もすれば、先端部がきちんと立ち上がので全く問題は無い。
8.Ludisia discolor(別名ホンコンシュスラン)この写真の個体の葉形、斑のパターンは、必ずしも典型的なものではない。斑のパターンは特に変化に富み、全くないもの、中央の1本だけ、このように複数の縦条だけと様々である。しかし、花を観察すると同一種である。
9.Ludisia discolor葉の形、斑のパターンは典型的特徴を示している。また花の形態も合致する。但しアルビノであるために葉から紫褐色系の色が抜けている。数年前に、ドームのラン展でロシア人が展示した株だそうだ。これほど美しい斑のパターンを示す個体は稀である。
10.Macodes petola No1ジュエルオーキッドの中でも、一際美しい葉を生じるのが本種。しかし、他の種と同様に葉の斑のパターンには明らかな個体差がみられる。次の写真の個体では、葉の緑も濃く、葉脈は鮮明ではない。
11.Macodes sanderiana大型種。葉が展開すると直径15cm以上に達する。タッパー内では、やや葉が細長くなる傾向がある。葉は大きいが、斑のパターンは繊細、若干葉の色の濃度に変異が見られる。
12.Dossinia marmorata前種と同様の大型種。葉の表面はビロード状であるが、葉脈が太く大柄なパターンである。栽培歴が浅く、タッパー栽培の効果のほどが判らない。良い結果が出たときには、改めて紹介いたします。

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